《血の代償》とは?
永続罠(禁止カード)
500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。
この効果は自分のメインフェイズ時及び
相手のバトルフェイズ時にのみ発動できる。
《血の代償》はBOOSTER3で登場した永続罠。500ライフポイントを払うことでモンスター一体を通常召喚する効果を持ちます。発動回数に制限がないため、ライフポイントが続く限り何回でも召喚権を増やすことが可能です。
《血の代償》が登場した初期の遊戯王OCGの環境では手札にモンスターが溜まることが少なく、カードプールが充実し、モンスターのサーチ手段が充実した近年になり《血の代償》は真価を発揮。禁止カードに指定されることとなります。
《血の代償》の効果
《血の代償》は500LPを払うことで召喚権を増やすことができるカードであり、ターン1制限がないためライフが続く限り無限に召喚権を得られます。
通常のデッキであれば無限に召喚権を得ても、大量展開する前に手札のモンスターカードが切れてしまいます。しかし大量のドローソースやサーチカードと組み合わせると《血の代償》は真価を発揮します。
たとえば《手札断殺》や《チキンレース》《強欲で謙虚な壺》《凡骨の意地》等のドローソースと組み合わせ、モンスターカードを手札に揃えて《血の代償》を発動。モンスターカードを一気に盤面に揃えるといった展開が考えられます。
《血の代償》は誕生当時は活躍の機会が無かった
ドローソースやサーチカードと組み合わせることで強力な効果を発揮する《血の代償》ですが、誕生当時は活躍の機会が得られないカードでした。
当時の遊戯王OCGはカードプールが不十分であり、ライフコストを支払ってまで通常召喚したいモンスターが手札に溜まるシチュエーションがそもそもあまり無かったのです。
初期のローカルルールでは500LPを払って上級モンスターを召喚する事態も
一方で初期の遊戯王OCGのローカルルールでは《血の代償》は途轍もない価値を見出され、高価格で取引される時期もありました。その理由は《血の代償》のエラッタ前の効果テキストにあります。
《血の代償》のエラッタ前の効果テキストは以下の通り。
1体につき500ライフポイントを支払う事で、通常の召喚とは別にモンスターを召喚できる。
上記の効果テキストは、コストを支払うことで通常召喚とは別に上級モンスターも召喚可能と誤解するプレイヤーを一定数生み出しました。当時はインターネットが今ほどには発達しておらず、カードショップの店員ですら公式裁定を正確に把握していないという事態も少なくありませんでした。よって《血の代償》が500LPで上級モンスターを召喚できるというローカルルールは一部でしばらく力を持ちました。
その後《血の代償》のテキストはエラッタされ、こうしたプレイヤー間の誤解は収束していきました。
《血の代償》が禁止カードになった理由
《血の代償》が禁止カードになった理由は、《血の代償》の効果が現環境では強すぎるためです。わずか500LPで召喚権を得続けることができる効果は、サーチ手段もドローソースも豊富な現環境では得られるメリットとデメリットが釣り合っているとは言えません。1キルを可能とするポテンシャルを備えていると判断されたため、2014年4月付で禁止カードに指定されました。
《血の代償》はカードプールが存在すればするほど相対的に強化される効果を持つため、大幅なエラッタ抜きで制限復帰することは難しいでしょう。
《血の代償》と代償ガジェット
《血の代償》は「LIMITED EDTION 6」で登場した「ガジェット」モンスターを中心とするガジェットデッキと好相性であることでも知られていました。
ガジェットデッキは互いをサーチしあう《イエロー・ガジェット》《グリーン・ガジェット》《レッド・ガジェットを中心に構築され、ガジェットモンスター以外を魔法・罠カードで埋め尽くす構築が主流。サーチ能力によってモンスター切れを防ぎ、絶え間なくモンスターを展開することが可能。
代償ガジェットはガジェットデッキに《血の代償》を入れることでモンスターの召喚をより効率よく行うことを主要コンセプトとしたデッキです。この2つを組み合わせることで召喚→サーチ→召喚→サーチという絶え間ない流れを作り出し、あっという間に盤面に5体のモンスターを並べることができました。
代償ガジェットデッキのサンプルレシピ
モンスター | |
魔導戦士 ブレイカー | 1 |
氷帝メビウス | 1 |
同族感染ウィルス | 1 |
賢者ケイローン | 1 |
異次元の女戦士 | 1 |
レッド・ガジェット | 3 |
ならず者傭兵部隊 | 1 |
サイバー・ドラゴン | 3 |
グリーン・ガジェット | 3 |
イエロー・ガジェット | 3 |
魔法・罠 | |
貪欲な壺 | 2 |
抹殺の使徒 | 1 |
地砕き | 3 |
大嵐 | 3 |
光の護符剣 | 1 |
月の書 | 1 |
強欲な壺 | 1 |
強奪 | 1 |
押収 | 1 |
リミッター解除 | 1 |
ブラック・ホール | 1 |
シールドクラッシュ | 1 |
サイクロン | 1 |
エネミーコントローラー | 1 |
炸裂装甲(リアクティブアーマー) | 3 |
血の代償 | 2 |
激流葬 | 1 |
代償ガジェットの回し方
《血の代償》の制限復帰はあり得る?
《血の代償》の制限復帰は、前述の通り大幅なエラッタ抜きでは難しいと考えられます。
理由は大きく分けて2つ。
1つ目はカードの登場当初と比較して、カードプールが充実し、召喚権の価値と500LPが見合わないと考えられること。
そしてもう1つは、同じく召喚権を増やす効果を持つ《トロイメア・ゴブリン》が禁止カードに指定されていることです。