テフェリーは強すぎ?《ドミナリアの英雄、テフェリー》強さ・デッキ・関連カード解説【MTG】

ドミナリアで登場したプレインズウォーカー《ドミナリアの英雄、テフェリー》。スタンダード環境で【青白コントロール】【エスパーコントロール】などに4枚積みされ、モダンやレガシーでも採用され猛威を振るいました。

2019年10月に「エルドレインの王権」発売とともにスタン落ちされ、一時の高騰は落ち着きつつありますが、同じく「テフェリー」の《時を解す者、テフェリー》はスタンダード環境で活躍し続けています。


そんなテフェリーですが、実は非常に息の長いキャラクターであることを知っていますか?

なんと初出は1998年「ウルザズ・サーガ」に遡ります。

今回はM:tGの名物キャラクター「テフェリー」と《ドミナリアの英雄、テフェリー》《時を解す者、テフェリー》を紹介します。

テフェリーは「時間」の数奇な運命に巻き込まれ続けた、重く悲しい過去を持つキャラクターでもあります。テフェリーの出自や歩んできたストーリーも紹介します

M:tGにおけるテフェリーの出自・ストーリー・登場カード

「テフェリー」は次元/Planeの1つであるドミナリアのジャムーラ大陸・ザルファー出身のプレインズウォーカー。まずはテフェリーの辿る数奇な運命・ストーリーを紹介します。


プレインズウォーカー・ウルザが主宰するトレイリアのアカデミーに通っていたテフェリーは、元々は手のかかる《問題児》。魔術の神童として知られ、将来を嘱望されながら、せっかくの才能をイタズラにばかり費やしていました。

学生時代、テフェリーが夢中になっていた年上の女性がジョイラです。ジョイラはテフェリーからのアプローチに手を焼きます。


プレインズウォーカー・ウルザがトレイリアで研究していたテーマは「時間遡行」。

「時間遡行」を実現することで、ウルザは敵であるファイレクシアの侵略を根元から断ち切ろうとしていました。無論、研究はすぐに身を結ぶものではなく、アカデミーが位置するトレイリアは物資と人の往来が厳しく監視され続けていました。

ジョイラは島の外に憧れを抱くようになります。


ある日、ジョイラは海岸で倒れている一人の男性を見つけます。男性の名前はケリック。ジョイラとケリックは親交を深めますが、実はケリックこそがファイレクシアの一員。ケリックはファイレクシアを手引きし、アカデミーは急襲されます。

アカデミーが破壊される中、ウルザは「時間遡行」を行い襲撃を防ごうと試みます。「時間遡行」自体は成功するものの、「時間遡行」を行う機械は大破。アカデミーも崩壊し、多数の死者を出し、「時間遡行」の作用でトレイリアの時の流れは乱れます。

襲撃から生き延びたものの、時の乱れに巻き込まれたテフェリー。テフェリーはその後、20年に渡って時の泡に囚われ続けます。


テフェリーが時の泡から救出された時、外の世界ではすでに20年が経っていました。ジョイラだけは時の流れを遅延する効果を持つ水を飲み、昔と変わらぬ姿を保っていましたが、他のアカデミーの生徒は亡くなっているか、遥か年上になっていました。

テフェリーは意気消沈しますが、やがて快活さを取り戻し、ジョイラとともにウルザに協力。その後、故郷に戻り宮廷魔道士になります。


テフェリーのプレインズウォーカーとしての才は、トレイリアのアカデミー襲撃時に時の泡にとらわれるという体験で引き起こされます。

救出された後、テフェリーは自らの身に起きた出来事をいまわしく思い、ウルザの時間実験に対して否定的な態度も取ります。しかし、テフェリーにとって「時間」は幼い頃から魅了され続けてきたテーマでもあったのです。

その後、テフェリーは5つのギルドを設立してザルファーに尽くします。テフェリーの功績は長きに渡る国の繁栄の土台となり、テフェリーはやがて「英雄」と呼ばれるようになります。テフェリーの行動には常に故郷への深い愛があふれています。

そして、テフェリーは再びファイレクシアとの戦いに身を投じ、時からザルファー全土を切り離すという呪文を使って故郷を守ろうと試みます。策は成功しますが、時の乱れの影響を幾度となく受けたテフェリーの故郷は荒廃します。それからテフェリーはのちに「大修復」と呼ばれる、故郷の修復に取り組むこととなります。

以上がテフェリーの歩んできた「時」に関する数奇な運命と、大まかなストーリーです。テフェリーのエピソードはそれぞれがカードにもなっています。テフェリーのカードを1つずつ見ていきましょう、

《問題児/Disruptive Student》

Disruptive Student / 問題児 (2)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(T):呪文1つを対象とし、それをそれのコントローラーが(1)を支払わないかぎり、打ち消す。

1/1

1998年に登場した「テフェリー」。まだアカデミーに通っていた頃の姿であり、あどけなさが残ります。

3マナ 1/1という低ステータスで、スペルを打ち消す能力を持ちます。後年にリリースされる各種カードと比較すると、使い道がないわけではないものの地味な印象を受けるカードです。


《問題児》の面白さの1つは、フレーバーテキスト。

テフェリーは問題のある生徒だ。いつも授業に遅れてくる。建設的なことに時間を使おうとしない。ーーーバリンの生徒記録

のちにドミナリアの英雄となるテフェリー。バリンも生徒記録をつけている段階では、彼の将来の姿を予知できなかったのでしょう。

《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》

伝説のクリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
瞬速(あなたはこの呪文を、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも唱えてよい。)
あなたがオーナーである、戦場に出ていないクリーチャー・カードは瞬速を持つ。
各対戦相手は、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。

3/4

《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》

伝説のプレインズウォーカー — テフェリー(Teferi)
[+1]:あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードを見る。そのうち1枚をあなたの手札に加え、もう1枚をあなたのライブラリーの一番下に置く。
[-1]:パーマネントを最大4つまで対象とし、それらをアンタップする。
[-10]:あなたは「あなたはあなたがコントロールするプレインズウォーカーの忠誠度能力を、どのプレイヤーのターンでも、あなたがインスタントを唱えられる時に起動してもよい。」を持つ紋章を得る。
時間の大魔道士、テフェリーは統率者として使用できる。

5

《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》

伝説のプレインズウォーカー — テフェリー(Teferi)
[+1]:カードを1枚引く。次の終了ステップの開始時に、土地を最大2つアンタップする。
[-3]:土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーのライブラリーの一番上から3枚目に置く。
[-8]:あなたは「あなたがカードを1枚引くたび、対戦相手がコントロールしているパーマネント1つを対象とし、それを追放する。」を持つ紋章を得る。

4

《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》

伝説のプレインズウォーカー — テフェリー(Teferi)
各対戦相手はそれぞれ、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。
[+1]:あなたの次のターンまで、あなたはソーサリー呪文をそれが瞬速を持っているかのように唱えてもよい。
[-3]:アーティファクトかクリーチャーかエンチャント、最大1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。カードを1枚引く。

4

強化が続く【テフェリー】

《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の強さ・能力・効果

[+1]:カードを1枚引く。次の終了ステップの開始時に、土地を最大2つアンタップする。
[-3]:土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーのライブラリーの一番上から3枚目に置く。
[-8]:あなたは「あなたがカードを1枚引くたび、対戦相手がコントロールしているパーマネント1つを対象とし、それを追放する。」を持つ紋章を得る。

4

+1能力・-3能力・-8能力はそれぞれ「カード・アドバンテージ獲得」「バウンス」「(決まれば勝ちが確定するレベルの)除去」と、特にスタンダードのコントロールデッキでエース級として活躍する性能を備えています。

スタン落ちしても、モダンでも十分通じるカードである事も明らか。モダン環境では《精神を刻むもの、ジェイス》を落とし、テフェリーを採用するデッキも登場しています。

Jace, the Mind Sculptor / 精神を刻む者、ジェイス (2)(青)(青)
伝説のプレインズウォーカー — ジェイス(Jace)
[+2]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードを、そのプレイヤーのライブラリーの一番下に置いてもよい。
[0]:カードを3枚引く。その後、あなたの手札のカード2枚をあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
[-1]:クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
[-12]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーからすべてのカードを追放する。その後、そのプレイヤーは自分の手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。

3


《精神を刻むもの、ジェイス》と《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の+1効果を題材にして、比較していきましょう。

[+1]:カードを1枚引く。次の終了ステップの開始時に、土地2つをアンタップする。

《精神を刻むもの、ジェイス》《ドミナリアの英雄、テフェリー》はいずれもマナコストが重めで、その分強力な効果を備えたカードです。カードを召喚するからには妨害スペルを活用して、カードを守り抜きたいもの。

そうしたフィールド・アドバンテージを確保するのに役立つのが、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の+1効果。土地2つをアンタップして2マナを稼ぐことで、妨害スペルを発動可能になります。《精神を刻むもの、ジェイス》には2マナを稼ぐ能力は、内包されていません。

妨害スペルに活用するマナを、仮に2マナとしましょう。

《精神を刻むもの、ジェイス》本体4マナ+妨害スペル向け2マナ合計6マナ
《ドミナリアの英雄、テフェリー》本体5マナ(妨害スペル用2マナを含む)合計5マナ

2マナの妨害スペルでカードを守りながら戦うという条件下では、《ドミナリアの英雄、テフェリー》は《精神を刻むもの、ジェイス》よりもマナレシオに優れています。

デッキ構築のスタイルにもよりますが、今後もモダンやレガシーでも活躍が見込めます。

《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の強さ・能力・効果

《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の強さ・能力・効果は《ザルファーの魔道士、テフェリー》と比較すると分かりやすいです。どちらも「瞬速」に関する能力を持つテフェリーであることが、比較しやすさの根拠です。

両者の「瞬速」に関する効果を抜粋して、比較してみましょう。

《ザルファーの魔道士、テフェリー》5あなたがオーナーである、戦場に出ていないクリーチャー・カードは瞬速を持つ。
各対戦相手は、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。
《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》3[+1]:あなたの次のターンまで、あなたはソーサリー呪文をそれが瞬速を持っているかのように唱えてもよい。

このように比較すると《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》は、《ザルファーの魔道士、テフェリー》と同等の瞬速を3マナで唱えられることが分かります。《ザルファーの魔道士、テフェリー》は5マナ、《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》は3マナです。


《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の能力は+1効果も-3効果も、いずれもアドを確保できるものであり、3マナであることから序盤から唱えることが可能です。テフェリーは《ドミナリアの英雄、テフェリー》に注目が集まりやすいですが、《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》も非常に強力ですね。

【テフェリー】と相性の良いデッキ

エスパーコントロール

《ドミナリアの英雄、テフェリー》は特にエスパーコントロールデッキとの相性が良く、公式でもデッキレシピが公開されています。

相手の手札の無効化や、カードのバウンス・除去を行い、相手の行動を徹底的に妨害。対戦が長期化してくると、後半になるにつれ、マナが潤沢になり、対戦相手からすると強力なスペルを一層恐れて精神的に追い詰められます。