【遊戯王OCG】《バリアフォース》カード全種類解説・デッキ解説

《バリアフォース》とは

《バリアフォース》とは第1期・Vol.7で登場した《聖なるバリア -ミラーフォース-》を中心とする「バリア-フォース-」の名を持つ通常罠のシリーズ。

いずれの《バリアフォース》も相手の攻撃宣言をトリガーとする攻撃反応型の罠であり、主に相手の全ての攻撃表示モンスターを対象とする全体除去効果を持ちます。

「相手の全ての攻撃表示モンスター」を対象とする性質から、効果は「対象を取らない効果」。不特定多数のカードを除去できることから、発動に成功すれば1:1交換以上のアドバンテージが期待できる強力なカード群です。

今回は《バリアフォース》系カードを全て紹介。また相性の良いデッキも紹介します。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》

通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する

遊戯王OCG第1期・Vol.7で登場した通常罠。相手モンスターの攻撃宣言をトリガーに、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する効果を持ちます。

攻撃反応型の罠であり、「相手フィールドの攻撃表示モンスター」であれば全て破壊可能。一枚の罠カードの消費に対して不特定多数のカードを破壊できることから、不利な状況からの逆転を狙える強力な一枚。

原作漫画においてもシリーズを通して登場している人気カードの1つであり、初登場は「闇遊戯 vs インセクター羽蛾」。ちなみに「闇遊戯 vs インセクター羽蛾」のデュエルは、闇遊戯の名言「お前、弱いだろ」が生まれたシーンとして有名。
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2000年に制限カードに指定され、2004年に禁止カード入り。その後は制限復帰と禁止入りを繰り返すも、2013年に制限解除されます。

2020年現在では破壊耐性を持つモンスターや、破壊時に効果発動するモンスターが増えたことから類似カードの《神風のバリア -エア・フォース-》がより環境に適したバリアフォース系カードとして優先的に使用される機会が増えています。

ただし《聖なるバリア -ミラーフォース-》には《ミラーフォース・ランチャー》という専用サポートが存在している点が大きな強み。また昨今はデッキの枠を伏せ除去に割かないケースも増えており、活躍の機会が今でも多いカードです。

《ミラーフォース・ランチャー》

永続罠
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに手札からモンスター1体を捨てて発動できる。
自分のデッキ・墓地から「聖なるバリア -ミラーフォース-」1枚を選んで手札に加える。
(2):セットされたこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
墓地のこのカードと自分の手札・デッキ・墓地の「聖なるバリア -ミラーフォース-」1枚を選び、
そのカードとこのカードを自分フィールドにセットする。
この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》の専用サポートに位置付けられる永続罠。

1の効果は手札のモンスター一体を捨てることで、デッキ・墓地から《聖なるバリア -ミラーフォース-》を手札に加えるもの。手札に加えた《聖なるバリア -ミラーフォース-》を伏せることで、相手の伏せ除去を誘発する駆け引きができます。

2の効果はセットされている《ミラーフォース・ランチャー》が破壊されて墓地に送られた場合、《聖なるバリア -ミラーフォース-》と自身をセット。セットしたカードを即時に発動可能とする効果。1の効果で《ハーピィの羽根箒》など伏せ除去の利用を誘発。《ミラーフォース・ランチャー》を破壊させることで、伏せ除去を無駄打ちにした上で、《聖なるバリア -ミラーフォース-》をセット。相手の攻撃を牽制するといった使い方ができます。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》の弱点である「伏せ除去」をカバーする効果であり、セットで採用することで相手の攻撃を大きく牽制可能。個人的には《神風のバリア -エア・フォース-》でも同種の専用サポートが登場しないか、期待しています。

《ミラーフォース・ドラゴン》

融合・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守1200
このカードは「クリティウスの牙」の効果で自分の手札・フィールドの
「聖なるバリア -ミラーフォース-」を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
(1):自分フィールドのモンスターが攻撃対象に選択された時、
または相手の効果の対象になった時に発動できる。
相手フィールドのカードを全て破壊する

《クリティウスの牙》の効果で、《聖なるバリア -ミラーフォース-》を墓地に送ることで特殊召喚できる融合・効果モンスター。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》は《ミラーフォース・ランチャー》発動下であれば手札のモンスター一体をコストにサーチ可能であり、《クリティウスの牙》も制限カードに指定されていないため3積みが可能。《クリティウスの牙》から召喚可能な融合・効果モンスターとしては、手札から捨てる罠カードの汎用性の高さの面から召喚しやすいモンスターに数えられます。ただし《クリティウスの牙》は単体では機能しないコンボ前提のカードのため、手札事故の原因にもなります。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》《ミラーフォース・ランチャー》を採用するデッキで、デッキスロットに余裕がある場合、枚数調整を行なった上で採用するのがおすすめ。

《ミラーフォース・ドラゴン》の効果はモンスターが攻撃対象に選択された時、あるいは効果の対象になった時に相手フィールドのカードを全て破壊するもの。攻撃宣言だけでなく《月の書》《ブレイクスルー・スキル》《魔法の筒》といった「対象を取る効果」への牽制として、極めて高い制圧力を持ちます。ただし対象を取らない《激流葬》などには耐性を持たない点に注意。

《神風のバリア -エア・フォース-》

通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主の手札に戻す。

相手モンスターの攻撃宣言時に、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て手札へとバウンスする効果を持つ通常罠。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》と異なり、相手の攻撃表示モンスターを「破壊せず、手札へと戻す」点が最大の特徴。破壊耐性を持つモンスターも手札へとバウンスでき、フィールドから除去できる点で《聖なるバリア -ミラーフォース-》よりも優位性を持ちます。


手札へとバウンスされるモンスターが再展開の容易な下級モンスターの場合、バウンスに成功してもフィールドアドバンテージを維持し続けることはやや困難。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》《神風のバリア -エア・フォース-》、どちらをバリアフォース系カードとして採用するかは「相手のデッキ編成」に左右されます。相手が上級モンスターメインの構築であれば《神風のバリア -エア・フォース-》がおすすめ。

下級モンスター軸であれば《聖なるバリア -ミラーフォース-》がおすすめです。

《業炎のバリア -ファイヤー・フォース-》

通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊し、
自分はこの効果で破壊したモンスターの
元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージを受ける。
その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。

バーン効果を持つ《聖なるバリア -ミラーフォース-》。相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊。破壊したモンスターの元々の攻撃力の合計の半分のダメージを、自分と相手の両方が受けます。

大量展開による制圧を狙うデッキが環境上位を占める昨今においては、相手に大きなバーンダメージを与える手段として重用。WCS2017の優勝デッキ【チェーンバーン】でもダメージソースとして採用されています。

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《波紋のバリア -ウェーブ・フォース-》

通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主のデッキに戻す。

相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動でき、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全てデッキへとバウンスする効果を持ちます。


バリアフォース系カードの中で、唯一「相手の直接攻撃宣言」をトリガーに発動する通常罠。自陣のモンスターを対象とする攻撃宣言では発動のトリガーとならないため、【終焉のカウントダウン】【スピリット】などモンスターの召喚をほぼ行わないデッキでの採用がメイン。また【ゴーストリック】とも相性が良好。フィールド魔法《ゴーストリック・ハウス》を発動することで相手フィールドが裏側守備表示モンスターのみの場合、互いに直接攻撃が可能です。

《砂塵のバリア -ダスト・フォース-》

通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て裏側守備表示にする。
この効果で裏側守備表示になったモンスターは表示形式を変更できない。

相手モンスターの攻撃宣言時に、相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターを裏側守備表示に変更。表示形式を固定するバリアフォース。ロックに成功すると表示形式を変更されたカードは攻撃も効果の発動も不可となり、シンクロ素材やエクシーズ素材にすることもできなくなります。


大きな欠点は、リンクモンスターを守備表示に変更することができない点。リンクモンスターには守備力が存在せず、表側・裏側を問わず守備表示にすることが性質上できないためです。

相手モンスターの表示形式を裏側守備表示へと変更するカードには、通常魔法《闇の護封剣》や速攻魔法《皆既日食の書》が存在します。いずれのカードも裏側守備表示への変更が可能であり、デメリットも異なります。バリアフォースへのこだわりが無ければ、どのカードを採用するか吟味した上で決定するのがおすすめ。
ちなみに管理人は個人的に裏側守備表示への変更は、フリーチェーンで発動できる《皆既日食の書》を採用する機会が多いです。

《邪悪なるバリア -ダーク・フォース-》

通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを全てゲームから除外する。

相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、相手フィールド上の守備表示モンスターを全て除外する効果を持つバリアフォース。

相手モンスターの攻撃宣言をトリガーとしながら、除外の対象が守備表示モンスターであることがネック。相手バトルフェイズで、相手が攻撃宣言を行なったタイミングでフィールドに多数の守備表示モンスターが存在することは考えづらいからです。

《邪悪なるバリア -ダーク・フォース-》にチェーンして《皆既日食の書》を発動することで、相手の攻撃表示モンスターを守備表示に変更し、そのまま除外することが可能。このように実質的にコンボ前提のカードであり、カウンター罠等による妨害も受けやすい一枚。採用するならば《皆既日食の書》とともに、ロマン枠として一枚程度の採用に留めるのがおすすめです。

《閃光のバリア -シャイニング・フォース-》

通常罠
相手フィールド上に攻撃表示モンスターが3体以上存在する場合、
相手の攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊する。

《聖なるバリア -ミラーフォース-》が制限カード・禁止カードに指定されていた時期に、下位互換のカードとして使用されていたバリアフォース。性能は《聖なるバリア -ミラーフォース-》の下位互換であり、《聖なるバリア -ミラーフォース-》が無制限となった現在では採用機会がないカードです。

《バリアフォース》系カードと相性の良いデッキ

《バリアフォース》は汎用性が高い通常罠のため、多くのデッキに採用されています。今回はその中でも、相性の良いデッキとして【メタビート】を紹介します。

【メタビート】

【メタビート】とは環境トップクラスのデッキを研究し、それらのデッキの展開を止めて優位性を得ることを目的とする上級者向けデッキです。現環境は先行で大量展開を行なって盤面を制圧。制圧した盤面でそのままビートダウンを狙うデッキが主流。1ターン〜2ターンで決着がつくデュエルも多いです。


【メタビート】の主力カードの一枚が《インスペクト・ボーダー》。

効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻2000/守2000
自分フィールドにモンスターが存在する場合、このカードは召喚・特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、その間はお互いにそれぞれ1ターンに発動できるモンスターの効果の回数が、フィールドのモンスターの種類(儀式・融合・S・X・P・リンク)の数までになる。

【メタビート】デッキで先行を取り、1ターン目に《インスペクト・ボーダー》を通常召喚することで、対戦相手はモンスター効果の発動ができなくなります。このように【メタビート】は自身が先行を取り、モンスター効果封じや墓地利用封じに成功した時に大きな優位性が得られます。


一方で【メタビート】は自身が後攻で、先行の対戦相手に盤面を作られた際の巻き返しに弱点を抱えます。そこで注目されるのが、相手の攻撃宣言をトリガーに1:3交換や1:5交換も狙える《バリアフォース》です。
《バリアフォース》は攻撃反応型罠のため、《ハーピィの羽根箒》や《サイクロン》など伏せ除去に弱いという弱点も持ちます。しかし《バリアフォース》に混ぜて《やぶ蛇》を伏せることで、伏せ除去もアドバンテージに変えられます。

通常罠
(1):セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、
墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。
デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する。