メルカリとヤフオクの違いとは?どっちが高く売れておすすめ?手数料・民度の違い・ビジネスモデルを比較

「不要なおもちゃやトレカ、服を売りたい」「でもメルカリとヤフオク、どちらに出品した方が売れやすいのかわからない」

と悩む人は少なくありません。

メルカリとヤフオクはどちらもネットを介して、不要な物を得ることができるサービス。しかし細かな違いを見ていくと、両者は似て非なるサービスであることが分かります。メルカリとヤフオクの違いや「結局、どちらがオススメのサービスなのか」を1つ1つ見ていきましょう。

メルカリとヤフオクの比較

メルカリヤフオク
登録料無料無料
出品手数料無料無料
販売手数料10%8.64~10%
売上金の振込手数料200円100円
キャッシュレス対応メルペイ・iDPayPay
匿名配送対応対応
コンビニ受け取り対応対応
売上金の期限6ヶ月間5ヶ月間
配送料195円〜195円〜

メルカリの特徴


メルカリの特徴は、アプリを介した「フリーマーケット」であること。フリーマーケットは基本的に「個人と個人の取引」であり、物販業者向けに運営されるマーケットではありません。
メルカリの小泉文明社長は「われわれのマーケットプレイスのキーワードは、『「捨てる」をなくす』です」と、メルカリの運営の大テーマについて語っています。つまりメルカリは「個人対個人」の場所であり、「本来だったら捨てていたかもしれないものを、大事に使ってくれる他の人に安く譲りたい」というニーズに答える空間です。

上の理由から、メルカリは基本的に「値上げ」よりも「値下げ」が頻発します。「安く譲りたい」し「安く買いたい人」が集まるフリーマーケットのため、値段を吊り上げたり、高値のものを高値のまま売り切ることはどちらかといえば難しいです。ただし「信頼できる出品者から」「本当に自分が欲しい物を買う」という前提であれば、高値でも商品が売れていくこともまた特徴的です。

ヤフオクの特徴

ヤフオクの特徴は「競り」です。ヤフオクは「ネットオークション」であり、利用者は個人に限らず、法人も多数。「より高く入札した人が、商品を落札する」というオークション形式での運営の影響は大きく、値下げは発生せず、特にオークション終了時刻が迫り、なおかつ同一の商品に複数のユーザーが入札している場合に値上がりが起きやすい仕組みになっています。

販売手数料や振込手数料も全般的にはメルカリよりヤフオクが安く、基本的には「出品した商品を高く売る」ことを目指すならばヤフオクでの出品がおすすめ。

一方、自分が「フリマやオークションで商品を買いたい」なら値下げ交渉の余地が大きいメルカリがよりおすすめです。

メルカリとヤフオクの利用目的・民度の違い

メルカリの思考は「シェア」「共感」「個人向け」


メルカリの大テーマは、前述の通り『「捨てる」をなくす』というもの。本来は捨てるしかなかったであろう品を出品し、適正な価格で他の人に譲りたいという目的を持つユーザーが多いです。
よって不当な値上げは起きづらく、ものを「共感できる個人に向けて、シェアしたい」という目的が強めのフリーマーケットと言えます。

2020年2月には新型肺炎の影響で、マスクの転売が全国的に横行。メルカリでも定価の数倍〜10倍の値段でマスクが転売されましたが、メルカリの運営企業によってマスクの出品を全面的にブロックすることで事態の収拾が図られました。

このようにメルカリの利用目的はあくまで「個人対個人」の「信頼」によって成り立つ取引であると位置付けられるでしょう。

実はメルカリでも高い商品は売れる

上のように書くと、メルカリは「不用品の出品向け」で「安価」な商品のやりとりに特化していると感じる方も多いでしょう。しかし、実はメルカリでも高い商品は売れていきます。
例えば衣服の出品。女性ユーザーが多いイメージのメルカリですが、実際には男性ユーザーも多数。女性向けの衣服の出品が2000円〜3000円の価格帯中心であるのに対し、男性向け衣服は3万円以上からのブランド品の出品も多数。また楽器やゴルフセットなど趣味・特技に関連した高額商品も売れていきます。


限定品も狙い目。その土地限定の商品や、イベント限定商品など製造数が限られており、なおかつ入手ルートも限定されている品はメルカリでも高額で売れます。

ヤフオクの思考は「競う」「出来るだけ高く売りたい」「業者向け」


ヤフオクの利用目的は「競り」。出品者は出品した商品をオークション形式で入札させ、より高い価格で売り抜くことが目的。入札者はより入札者が少ない穴場のオークションを狙って「お得に落札すること」を目指したり、「どれだけ価格が高くとも絶対に落札したい商品」に入札することが目的です。フリーマーケットと異なり、オークション形式では「入札したからといって落札できるとは限らない」ことも特徴的。

オークション終了時刻まで、欲しい商品を本当に落札できるのかがわからないドキドキをゲーム感覚で楽しめるのがヤフオクの「競り」の醍醐味と言えるかもしれません。

ヤフオクは外部ツールの充実ぶりが嬉しい

ヤフオクは1999年にサービス開始。20年以上の歴史を誇るネットオークションであり、ユーザー数に加え、ヤフオク公式の外部ツールの充実度が類似サービスとの差別化ポイントです。
出品代行業者の「Quickdo」や商品管理ツール「AucTown」などの外部ツールが充実しており、大量の出品も難なく捌くことができます。こうしたツールはメルカリには用意されておらず「スマホ一台で手軽に出品できるメルカリ」と「業者にも門戸を開き、公式外部ツールを充実させるヤフオク」というポジショニングが明らかになります。

メルカリとヤフオクの「文化」の違い

値下げ交渉の有無

メルカリは「シェア」と「共感」で成り立つ個人対個人のコミュニティのため、値下げが頻発します。基本的にメルカリの出品は「値下げ交渉が行われること」を前提としたものと考えても良いでしょう。
メルカリの値下げ交渉は、値下げの金額・パーセンテージが大きいことも特徴です。20%〜30%以上の値下げを出品者に求めるユーザーも少なくはありません。こうした大幅な額の値下げ交渉は、特に物販を営む業者にとっては非常識的。ユーザーのマナーが劣悪と感じられても仕方ないでしょう。

よくも悪くも個人と個人で繋がるマーケットのため、購入者にも販売者にもそれほど「相場感覚」があるわけではないというのが実情でしょう

出品画像枚数の違い

メルカリで出品する際に設定可能な写真枚数は4枚まで。一方でヤフオクでは10枚まで画像を添付できます。画像枚数の違いには「スマホでサクッと写真を撮影し、その写真があれば出品できるお手軽さ」を売りにするメルカリと、「あらゆる角度から撮影した画像を全て公開し、商品の状態に納得感を持った上で入札することを求めるヤフオク」の違いが現れています。


メルカリは画像枚数が少ない代わりに出品時の手間の軽減に成功し「お手軽」というイメージで定着。一方でヤフオクは多くの画像を掲載できるため、手軽さではメルカリに劣るものの、商品そのもののコンディションや特性への理解度が全体的に高いと言えるでしょう。

メルカリとヤフオクの手数料の違い

メルカリの販売手数料は10%。ヤフオクの販売手数料は8.64〜10%。基本的にはヤフオクの方が、より手数料が安価です。
一方、メルカリには「キャンペーンが豊富」という特徴があります。メルカリでは二千円以上商品を購入したユーザーへのキャッシュバックや招待ポイントの付与など、ヤフオクではあまり行わない積極的なポイントキャンペーンを展開。なおかつポイントの有効期限を短く設定するという特徴があります。
よってキャンペーン展開時には、ポイントを早期に消費したいユーザーが高額商品を続々購入するということも起きています。

メルカリとヤフオクの欠点

メルカリの欠点は理不尽な「圏外飛ばし」

メルカリの大きな欠点の1つは「圏外飛ばし」と呼ばれるBANの存在。同じジャンルの商品を同一ユーザーが一斉に出品した場合、出品した商品がメルカリの検索画面ではるか下に表示されるようになり、ほとんどアクセスされなくなるという事象です。
「トレーディングカードならトレーディングカード」「服なら服」とカテゴリを絞って出品する出品者ほど冷遇され、雑多に出品しているユーザーはBANの対象になりづらいとも言えます。
またトレーディングカードのように単価が低く、薄利多売になりやすい商品を扱う出品者にとってはかなり不利なBAN条件でもあります。メルカリが主とするユーザーが「業者」ではなく「個人」であるため、相対的に個人が上位に表示されやすいアルゴリズムを組んだ結果、上記のようなBAN条件が生まれたと推察されます。
しかし個人でも十分に引っかかりやすい条件であることも事実で、この「圏外飛ばし」は理不尽な内容であると個人的には感じます。

ヤフオクの欠点は「出品の手間」と「配送料」

ヤフオクの欠点は「出品の手間」。スマホで1枚写真を撮って即時出品できるメルカリのような出品の手軽さはなく、なおかつ老舗オークションであることから「手軽さ」よりも「あらゆる角度から写真が撮影されているか」「出品文はしっかりしているか」といった出品ページの情報の正確さ・網羅性が評価されやすい風土があります。
配送料の違いも地味に大きいです。メルカリの送料は出品者支払いが基本で、ヤフオクの送料は落札者支払いが基本。ヤフオクの方が全体的な商品価格が高く、なおかつ送料が価格に上乗せされるため「購買のハードルが高い」と言えます。

出品カテゴリが明確ならば特化型のアプリを使用するのも有り

magi

前述のように、メルカリは「同一商品を大量に出品するとBAN」という制約が存在。ヤフオクは「競り」のため商品が高騰しやすく、送料も落札者負担という欠点が存在します。
そのため両者とも一長一短。もしもあなたが出品したい商品・購入したい商品のカテゴリがすでに明確ならば、その分野に特化したフリマアプリを使うのも選択肢に入れるべきでしょう。
例えば「magi」はトレカカテゴリに特化したフリマアプリ。トレカに特化しているため大量出品のBANの心配はなく、送料は出品者負担。メルカリの欠点を「カテゴリに特化する」ことで解決したアプリと言えるでしょう。


【総評】手軽さならメルカリ、「競り」ならヤフオク

総合的に見て、メルカリは「手軽さ」を売りに「個人向け」に展開。ヤフオクは「競り」を打ち出したマーケットと言えます。どちらのアプリを使うかは「手軽さを重視する」のか「落札価格を重視するのか」で使い分けられます。手軽さを重視するならメルカリ。落札価格を重視するならヤフオクがおすすめ。どちらの指標を重視するかは決められないが、出品するカテゴリは決まっているという場合はその分野に特化したアプリを使いましょう。