ブラックSEOはなぜ衰退したのか
「これからSEOを始めたいけれど、ブラックSEOとホワイトSEO、どちらがより早く結果が出るのか知りたい」「ホワイトSEOに取り組んでいるものの思うようにアクセスに繋がらない」
「ブラックSEOの手法で今でも稼げるのか知りたい」
上のような疑問をお持ちの方に向け、今回はブラックSEOとホワイトSEOの定義と違い、そして「これからサイトアフィリエイトに取り組むならブラックSEOが良いのか、ホワイトSEOが良いのか」を解説します。
サイト立ち上げ段階で結果が出ない場合、8割以上の初心者の方のウェブサイトにはそもそもコンテンツが足りていません。またコンテンツを量産していても品質が追いついていないことが多いです。
コンテンツ数と品質を担保しながら、それでも結果が出ない場合はブラックSEOの手法を部分的に取り入れた「グレーSEO」を検討するのも1つの手ではあるでしょう。とは言え、繰り返しにはなりますがブラックSEOの手法は基本的にはGoogleによってペナルティを課せられるリスクを秘めています。事実として、多くのブラックSEOの手法のサイトがペナルティを受け、アルゴリズムアップデートによって衰退してきました。
ブラックSEOとホワイトSEOについて1つ1つみていきます。
ブラックSEOとホワイトSEOとは?定義・違い
ブラックSEOとホワイトSEOとはそもそもどのような意味でしょうか。定義と違いを大まかにまとめると、下記の通りです。
- ホワイトSEOは新規ドメイン、かつ人力で制作した新規コンテンツによって検索順位の上位獲得を目指す手法
- ブラックSEOは中古ドメイン、かつ多くのサテライトサイトからの自演リンクによって上位表示を目指す手法
ブラックSEOとは
ブラックSEOはコンテンツそのものの品質では無く、ドメインパワーやサテライトサイトからの被リンクを重視したSEO手法。主に10ページ〜30ページ前後のミニサイトを制作し、自演リンクなどによって検索上位に表示させることを目指します。ホワイトSEOに比較すると制作コストが低く、サイト設計が容易というメリットがあります。
一方でGoogleがウェブマスター向けガイドラインにて公表する「品質に関するガイドライン」には、ネガティブな意味で抵触する項目が多いことも事実。
・検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。
・ユーザーをだますようなことをしない。
・検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為をしない。ランクを競っているサイトや Google 社員に対して自分が行った対策を説明するときに、やましい点がないかどうかが判断の目安です。その他にも、ユーザーにとって役立つかどうか、検索エンジンがなくても同じことをするかどうか、などのポイントを確認してみてください。
・どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトと言えるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。
全面的にブラックSEOに依存したサイト制作は、管理人はおすすめしません。前述した通り、ホワイトSEOの手法でコンテンツ品質と量にこだわることは前提とした上で、結果が出ないときに部分的に手法に取り入れる程度で2020年現在は十分でしょう。
ホワイトSEOとは
ホワイトSEOは自演リンクなど、ブラックSEOの手法を用いずコンテンツ品質と量によって検索上位を目指します。純粋なホワイトSEOでは、ドメインは中古ドメインでは無く、新規ドメインを取得してページを作成することが望ましいです。
サイトの規模は数百ページ〜千ページ以上へと膨らむことも珍しくは無く、サイト設計の重要度が上がります。10ページ〜30ページ前後のブラックSEOのミニサイトと比較すると、収益性の低い「無駄な記事」も増えやすく、ROIの管理の難易度も高いです。
一方でホワイトSEOの手法はGoogleの定める品質ガイドラインに則しており、長期的な収益性は高いです。
またあなたがSEO初心者であるという前提に立つならば、管理人は強くホワイトSEOを推奨します。記事制作やサイト設計、SEO内部対策などSEOの基礎知識を身に着けるうえでホワイトSEOは「勉強になります」。ホワイトSEOを十分に身につけた後に、それでも必要性を感じた時にブラックSEOの手法を検討するのでも十分です。
現在はホワイトSEOが主流?
2012年ごろに開始したGoogleのアルゴリズムアップデート「ペンギンアップデート」「パンダアップデート」によって、SEOを目的としたスパム行為や低品質コンテンツは検索上位に表示されなくなりつつあります。
かつては「コンテンツファーム」「リンクファーム」と呼ばれる、ユーザーに大きな価値を与えないもののドメインランクが高く、ページ数が多いコンテンツは高評価されていました。コンテンツファームやリンクファームの例はリンク集。近年ではアンテナサイトも対象となりつつあります。またキーワードを機械的に判定するだけでなく、会話型検索に対応したアップデート「ハミングバードアップデート」によって検索結果の高品質化はより進んでいます。
一方で、2017年ごろまではブラックハットSEOのコンテンツも上位表示されていたことは事実です。Googleのアルゴリズムアップデートは「一度アップデートしたら、低品質コンテンツは二度と上位表示されなくなる」というものでは無く、基本となるロジックを1つ定めたらあとは徐々に調整していくという形で進みます。一度評価が下がったサイトでもサイト評価が回復することはありますし、「誰の目にも明らかな低品質インデックス」でもその時のアルゴリズムには高品質と評価されることもあります。
しかし、例えばBERTアップデートなどGoogleの自然言語処理が向上するにつれさらにブラックSEOの手法の低評価は進んでいます。現時点では「少なくともこれからサイトアフィリエイトを始めるならホワイトSEOで始めるべき」であることは自明と言えるでしょう。
ホワイトSEOのメリット
ホワイトSEOのメリットはGoogleのウェブマスター向けガイドラインに公表されている、品質に関する考え方に則していることです。短期〜中期のスパンではアルゴリズムアップデートによって評価が乱高下することはあっても、長期的にはトレンドに乗っており、高い収益性を維持できるとも言えます。またホワイトSEOを学ぶことで、初心者は内部施策やWebライティングの基礎を身につけることもできます。
ホワイトSEOのデメリット
ホワイトSEOのデメリットは「時間がかかること」です。
ブラックSEOはサテライトサイトの作成などを通じて、狙ったKWで確実に上位表示を狙うことを目指します。一方、ホワイトSEOは新規ドメインで地道に新規作成したコンテンツで上位表示を狙います。
ホワイトSEOで狙ったキーワードが高ランクに位置するには、平均でおおよそ3ヶ月はかかります。この中には無論、全くランクがつかずに「滑る」KWも出てきます。「滑るKW」の中に、収益のメインとするKWが含まれていた場合、そのサイトは利益を産みません。
一方、ブラックSEOは10KW〜30KWのミニサイトを量産し「大量に制作したサイトの中から、1サイトでも当たればOK」という考え方で制作を進めます。サイトAが評価されなくとも、サイトBが上位を取得することができればそのサイトが利益を生み出します。収益性の観点で見ると、ブラックSEOには一定の優位性があることも事実です。
ブラックSEOの主な手法
有料リンク(ペイドリンク)
代表的な手法の1つが、SEO業者などから被リンクを購入する「有料リンク」(ペイドリンク)。被リンクを増やすことを目的とするサイト運営者と、ドメインランクが高いドメインを持つ業者がマッチングしてやりとりが行われます。2020年現在はSEO業者だけでなく、個人間取引でもクラウドソーシングやスキルシェアサイトでもペイドリンクの取引が行われています。
自作自演リンク
自作自演リンクとは、自分で作った別サイトから、収益化したいサイトへと自分でリンクを貼ることを意味します。自作自演リンクは必ずしも「悪質」とは限らず、「別サイト」が「本サイト」と深い関連性を持っている場合は問題ではありません。
サテライトサイト
自作自演リンクの手法の一種に位置付けられるのが「サテライトサイト」です。サテライトサイトとは収益化したいメインサイトに関連したサブサイトを数十〜100サイト立ち上げ、メインサイトにリンクを送るものです。多くのサテライトサイトは自動生成された文章など低品質コンテンツをインデックスさせた「ユーザーにとっての価値を重視していない」サイトであることが多数。一方で品質の高いサテライトサイトであれば、メインサイトへの被リンク送信元として有力です。
記事の自動生成
「記事の自動生成」は、ワードサラダ・隠しテキストと似ています。指定したキーワードに沿いソフトウェアで機械的に生成された文章をそのまま掲載し、ユーザーにとっては「何が書いてあるかわからない」「支離滅裂」なサイトは低評価の対象。一方でこうしたサイトは、主にサテライトサイト作成目的で今も生成されています。一方で「文章を自動生成するソフトウェア」全般が劣悪とは限らず、生成された文章をベースに人力でオリジナル要素を付け加えたり、オリジナル画像を作成し記事を仕上げる場合は低評価対象になるとは限りません、
ワードサラダ・隠しテキスト
ワードサラダ・隠しテキストとは、ユーザーには見えないようにフォントサイズを小さくしたり、色を透明にするなどして大量にキーワードを詰め込んだ文章をコンテンツに含めるものです。明白にユーザーを志向していない施策の1つであり、仮にブラックSEOにあなたが興味を持っているとしても全くおすすめできない内容です。
中古ドメイン
中古ドメインとは、過去に別サイトが運営されていたドメインを購入し、そのドメインが持つ評価や被リンクを引き継いで別サイトを立ち上げるものです。例えば、過去に自治体や政府関係のウェブサイトが運営されていたドメインを購入し、サイトを立ち上げた場合、そのサイトは既に「信頼性が高い被リンク」を獲得した状態です。よってそのサイトの記事は高評価されやすく、インデックスされやすい状態となります。
中古ドメインはブラックSEOの一種と見なされる機会が多いですが、ホワイトSEOの手法のサイトでも「ドメインだけは中古ドメイン」というケースは少なくありません。もしもブラックSEOの手法を取り入れるならば、真っ先に取り入れることがしやすい手法です。
リンクファーム
リンクファームとはプログラムによって生成されたリンク集。大量のリンクを相互に送り合うプログラムです。ペンギンアップデートとパンダアップデートではリンクファームがスパムと見なされ、評価を落としました。近年はRSSで受信した記事へのリンクを掲載するアンテナサイトも、検索評価を落としつつあります。
価値が低いアフィリエイトサイト
内容が薄かったり、コピーコンテンツで構成されていたり、著しく専門性に欠けるといった価値が低いアフィリエイトサイトもブラックSEOと見なされ低評価の対象です。
初心者・上級者ともに今後はホワイトSEOがおすすめ
ここまでブラックSEOとホワイトSEOの定義とそれぞれの違い、そして代表的なブラックSEOの手法を見てきました。Googleはペンギンアップデート、パンダアップデート、BERTアップデートなどを通じて、自動生成された記事やコピーコンテンツなどへの評価を低下。ブラックSEOのコンテンツを検索インデックスの圏外に飛ばし、ユーザーにとって検索結果から得られる情報を高品質化することを推進しています。
ブラックSEOに興味がある場合は?
あなたがSEO初心者で、これからSEOを始めるならホワイトSEOを推奨します。しかし「それでもブラックSEO」に関心があるならば、「中古ドメイン」と「サテライトサイト」を手法として推薦します。
このうち、サテライトサイトは投下するコンテンツの品質によってはあなたのメインサイトに悪影響をおよぼす可能性もあります。リライトツールなどをうまく使いつつ少ない工数で高品質インデックスを投下し、良質なリンクジュースをメインサイトに送ることを目指しましょう。
ホワイトSEOでアクセスを集めるには?
ホワイトSEOでアクセスを集めるには、コンテンツの品質と量が命です。このように書くと「品質」を重視して1記事1記事に過剰に時間をかける方も多いでしょう。皮肉なこともそうした方ほど、品質は高いものの数は担保できずにアクセスが伸び悩むことも多いです。まずは100記事ブログに公開する事を目指しましょう。