遊戯王《クリッター》効果・評価!エラッタ前テキストとの違い・制限解除の理由

《クリッター》とは?

効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの発動ができない。

《クリッター》はVol.6で登場した効果モンスター。フィールドから墓地に送られた場合に攻撃力1500以下のモンスターをサーチして手札に加える効果を持ちます。

《黒き森のウィッチ》と並び、遊戯王OCG初期から人気が高いサーチカードとして知られる一方、イラストのコミカルさも人気。他のカードのイラストにも度々採用されるお茶目な一面を持ちます。

《クリッター》の効果と裁定

《クリッター》はその強力な効果と扱いやすさから、遊戯王OCGの歴史の中でも度々制限入りと復帰を繰り返しているカードです。

直近では2013年に禁止入りした後、2016年にエラッタされ復帰しています。

現行のテキストを再掲します。

効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの発動ができない。

後ほど紹介するエラッタ前テキストと比較して、ターン1制限と「このターン、〜」以後の発動に関する制限が増えました。

やや処理が複雑なのは「手札に加えたカード及びその同名カードの発動ができない」の箇所でしょう。こちらの制限は、モンスターの効果の発動にかかるものであることがポイントです。

エラッタ後《クリッター》は、サーチして手札に加えたモンスターの効果の発動はできません。

ですが通常召喚・反転召喚・特殊召喚は可能です。

通常召喚・反転召喚・特殊召喚はできる

通常召喚・反転召喚・特殊召喚が可能というのはどういうことでしょうか。通常召喚・反転召喚は通常通りの召喚。

特殊召喚は魔法・罠カードやモンスターの効果を利用した召喚。例えば手札に加えたモンスターを《おろかな埋葬》などで墓地に送ったのち、《死者蘇生》などのカードでサルベージして召喚することは可能です。

《クリッター》の発動前に既に同名カードを発動している場合はどうなる?

《クリッター》の効果はあくまで発動以後にかかるものです。

例えば《キラー・トマト》の効果で特殊召喚した《クリッター》が墓地に送られたのち、《クリッター》の効果で《キラー・トマト》をデッキからサーチして手札に加えることが可能です。

サーチしたカードのコントロールが相手に移るとどうなる?

《クリッター》による制限はあくまで自分にのみ影響します。

《クリッター》の効果で手札に加えたモンスターを通常召喚した後、そのモンスターが《堕落》や《精神操作》などによりコントロールが相手に移ったとしましょう。

この場合、対戦相手はコントロールを奪取したモンスターの効果を即時に発動可能です。

《クリッター》のエラッタ前テキスト

エラッタ後《クリッター》の効果を1つ1つ見てきました。エラッタ後も強力な《クリッター》ですが、エラッタ前は更に強力でした。

エラッタ前《クリッター》のテキストは以下の通りです。

このカードが墓地におかれた時、自分のデッキから攻撃力1500以下のモンスターを1枚手札に加え、デッキを切り直す。

もっとも大きな違いは《クリッター》の効果発動の条件が「フィールドから墓地へ送られた場合」に限定されていない点。《クリッター》を手札から墓地に送った場合にも効果発動が可能でした。

特に相性が良かったカードは《天使の施し》。

通常魔法(禁止カード)
自分のデッキからカードを3枚ドローし、その後手札を2枚選択して捨てる。

手札交換・墓地肥やし・デッキ圧縮を一枚で行うことができ、エラッタ前《黒き森のウィッチ》《クリッター》を墓地に送ることで効果を発動することができました。

エラッタ後《クリッター》と相性が良いカード

《リミット・リバース》

自分の墓地から攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

《リミット・リバース》は《死者蘇生》《リビングデッドの呼び声》が禁止カードに指定されていた時期に、代用品として評価されていたカードです。

現在は《リビングデッドの呼び声》が無制限化したため《リミット・リバース》の蘇生効果そのものは大きなメリットとは言えません。しかし《リミット・リバース》が今も評価されるのは、このカードのデメリットに理由があります。

蘇生したカードが守備表示になったとき、そのモンスターとこのカードを破壊するという効果を持つ《リミット・リバース》。カードの自壊タイミングを自分で選べるということであり、特定のモンスターをすぐに墓地に送ることができるのは大きなメリット。もちろん《クリッター》との相性も抜群です。

エラッタ前《クリッター》は何故強かったのか

エラッタ前《クリッター》はなぜ強かったのでしょうか。その理由は《クリッター》《黒き森のウィッチ》と《エクゾディア》の組み合わせにあります。

《クリッター》のサーチ対象にエクゾディアパーツが含まれることから、超高速でエクゾディアパーツをサーチすることができたのです。

《黒き森のウィッチ》《クリッター》でエクゾディアパーツをサーチ

《クリッター》《黒き森のウィッチ》を活用した初期のエクゾディアデッキの構築は以下の通り。

各エクゾディアパーツ3
クリッター3
黒き森のウィッチ3
強欲な壺3
天使の施し3
ブラック・ホール3
陽気な葬儀屋3

回し方は以下の通り。まずは《クリッター》《黒き森のウィッチ》を手札に引きます。手札に来なかった場合は《強欲な壺》《天使の施し》でドローします。引き当てた《クリッター》《黒き森のウィッチ》は《天使の施し》の効果、もしくは《陽気な葬儀屋》の効果で墓地へと送ります。通常召喚した後《ブラック・ホール》を発動してもOKです。

墓地へと送られた《クリッター》《黒き森のウィッチ》の効果でエクゾディアパーツをサーチし、パーツが揃ったら勝利です。

超高確率で先行1キルが成立

上のデッキはとにかく超高速でエクゾディアパーツを揃えられるのがポイント。先行1キルの成功率が異常に高く、当時の遊戯王OCGはじゃんけんゲームと揶揄されるほどでした。

先行1キルに失敗してもフィールド上の《黒き森のウィッチ》《クリッター》が破壊されれば勝利

ドローで思うようにカードが揃わず、先行1キルに失敗した場合も《黒き森のウィッチ》《クリッター》を守備表示で召喚しておくことで勝利に近づきました。

守備表示の《クリッター》《黒き森のウィッチ》が破壊されればエクゾディアパーツをサーチすることができたからです。

当時は《エフェクト・ヴェーラー》などの手札誘発モンスターが少なく、先行1キル対策の手法が確率しきっていなかったことから対策は非常に困難でした。ちなみに当時の有力な対策手段は《メタモルポット》《ニードルワーム》などを活用し、エクゾディア パーツを1枚でも多く墓地送りにすることでした。

度々禁止カード入りがネタにされる《クリッター》の物語

2016年のエラッタ前の《クリッター》が強力すぎる効果を持っていたことは、前述の通りです。制限入りと解除を繰り返してきた《クリッター》は度々禁止カード入りが、遊戯王OCGの他のカードのイラストで自虐的にネタにされてもきました。

どうも《クリッター》は魔界から現世に行くバスに乗るつもりが、間違えて冥界行きのバスに乗ってしまい、しかも牢屋送りにされてしまった様子です。

《魔界発現世行きデスガイド》

魔界発現世行きのバスのデスガイドさん。《クリッター》も大はしゃぎでバスに乗り込みます。バスは途中で休憩タイムへ。《クリッター》は一度、バスを降ります。

《手違い》

バスを降りた《クリッター》がニコニコしながらもう一度乗ったバス。同乗者たちの様子がちょっと変…?

《魔界発冥界行きバス》

《クリッター》が乗り込んだバスは現世行きのバスではなく、冥界行きのバスでした。現世とは真逆の方向に向かうバスに乗った《クリッター》。冥界行きの乗客たちに囲まれて、冷や汗ダラダラ。縮み上がってしまっていて、ちょっとかわいそうですね・・・

《相乗り》


大ピンチに陥った《クリッター》。ですがバスを降りる千載一遇のチャンスが訪れ、冥界とは逆に向かう車に飛び乗ります。ほっと安心した《クリッター》。表情が和らいでいて可愛いですね。安心から目には涙も浮かんでいます。

しかし、こちらの車もちょっと様子が変?一緒に車に乗っている天使の姿は・・・・・・

通常魔法(禁止カード)
自分のデッキからカードを3枚ドローし、その後手札を2枚選択して捨てる。

《捕違い》

実は《天使の施し》もまた冥界から逃げ出そうとする一人でした。《クリッター》は《天使の施し》と一緒に警察に捕まってしまいます。

《クリッター》のようにエラッタされ、《天使の施し》が制限解除される日は来るのでしょうか・・・

《濡れ衣》


乗ったバスを間違えたばかりに最後は牢屋に送られてしまった《クリッター》。制限解除されたということは《クリッター》の濡れ衣が解けて、現世に戻ってくることができたということでしょう。

愛すべきキャラクター《クリッター》。現環境でのさらなる活躍はもちろん、続くイラストストーリーにも期待したいですね。