MTGには5つの色があります。赤、青、緑、白、黒です。
これらの色はそれぞれ役割のようなものがあります。
Swamp / 沼
基本土地 — 沼(Swamp)
(黒)
- 赤
- 青
- 緑
- 白
- 黒
各色の特徴・タイプや色の組み合わせを1つ1つ見ていきましょう!
こちらの記事では、自分に一番合う色を診断できる「カラーパイ診断」も紹介しています。
白
白はM:tGでは「正義」のカラー。法や秩序を用いて相手の行動を制限したり、ライフを回復したりすることが得意です。M:tG漫画『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』ではヒロインの使用するカラーです。
パワーよりもタフネスに強みを持つ防御よりのカードが多く、エンチャントの設置と破壊も得意。
クリーチャーのタイプ
白のクリーチャーが持つ代表的な特殊効果は「絆魂」「飛行」。
「絆魂」「飛行」の効果を共に持つ代表的な白のカードが《黎明をもたらす者ライラ》です。
クリーチャーの特殊効果名 | 効果 | 色 |
絆魂(はんこん) | 与えたダメージぶんだけ自分(クリーチャーではなく自分自身)のライフが回復します。 | 白 |
飛行 | 飛行か到達を持つクリーチャーによってしかブロックされません。 | 白・青 |
代表的な白のカード
《黎明をもたらす者ライラ》
伝説のクリーチャー — 天使(Angel)
飛行、先制攻撃、絆魂
あなたがコントロールしている他の天使(Angel)は、+1/+1の修整を受けるとともに絆魂を持つ。5/5
青
M:tGでは、青は「戦略」のカラー。知識を生かして相手を操るといったことが得意で、妨害呪文やカウンターを重視します。カードを引いたり、相手のカードを手札に戻したり呪文を打ち消したりします。追加ターンを得ることも非常に得意とします。
クリーチャーのタイプ
青のクリーチャーの特殊効果の代表例は「飛行」「呪禁」。「飛行」は白のクリーチャーの特殊効果でもあり、「呪禁」は緑のクリーチャーの特殊効果でもあります。青はカウンターや妨害に長けており、この長所を他の色と混合しながらデッキを組むこともしやすいです。
クリーチャーの特殊効果名 | 効果 | 色 |
飛行 | 飛行か到達を持つクリーチャーによってしかブロックされません。 | 白・青 |
呪禁 | 相手の呪文や能力の対象になりません。戦闘で倒すしかないです。 | 緑・青 |
代表的な青のカード
《大ムンクルス》
クリーチャー — ホムンクルス(Homunculus)
呪禁(このクリーチャーは、対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象にならない。)
《運命のきずな》
インスタント
このターンに続いて追加の1ターンを行う。
運命のきずながいずれかの領域から墓地に置かれるなら、代わりに運命のきずなを公開し、オーナーのライブラリーに加えて切り直す。
「基本セット2019」で登場した追加ターン獲得カードです。2019年秋「エルドレインの王権」発売とともにスタン落ちしましたが、モダン環境でも活躍している1枚です。M:tGの青はドローやサーチが得意な色でもあり、スタンダードでは大量のドローソースで《運命のきずな》を引き、追加ターンを得続けるギミックを投入したデッキが活躍。
マナコストは7と重いですが、追加ターンを得ることでもたらされるアドを考えれば非常に使い勝手に優れています。
黒
M:tGにおける黒は「死と力」の象徴。墓地を活用して何度もカードを唱えることが得意です。相手のカードを破壊することも得意です。
また黒は「力を得るためなら手段を選ばない」というハイリスク・ハイリターンの戦法を採用することが多く、自らのライフやクリーチャー、手札を犠牲に攻勢に出ることがあります。M:tGにおけるライフは「コスト」とほぼ同義であり、ライフ回復はさほど重視されない傾向があります。そうした傾向の典型例が黒であり、のちに紹介する《死の影》はライフを自ら削ることを中心的な戦術とするカードです。
M:tG漫画『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』では主人公が使用するカラーです。
クリーチャーのタイプ
黒のクリーチャーに多いクリーチャーの特殊効果は「接死」。クリーチャーにダメージを1でも与えれば、相手のクリーチャーは死にます。
代表的な黒のカード
死の影
クリーチャー — アバター(Avatar)
死の影は-X/-Xの修整を受ける。Xはあなたのライフの総量である。13/13
1マナ13/13という圧倒的なマナレシオ(コストパフォーマンス)を誇るクリーチャー。とはいえデメリットがあり、自分のライフの分だけパワー・タフネスが引かれてしまいます。ライフが3点だと9/9となります。
マナコストの圧倒的な軽さが強みであり、能動的にライフを削ることで1コスト10/10などの巨大クリーチャーを盤面に展開できます。そのために《フェッチランド》《ショックランド》を序盤から大量に使い、《ファイレクシア・マナ》も使って自分のライフを減らします。
《死の影》を中心に据えるデッキには【グリクシス死の影】などがあります。
赤
赤は「炎と感情」の色。コストが軽くて早いカードや火力呪文を使って、早く相手を倒すのが得意です。
クリーチャーのタイプ
赤の代表的な特殊効果は「速攻」。
M:tGでは本来クリーチャーは出たターンには攻撃できないのですが、クリーチャーが「速攻」を持つ場合はそのターンに攻撃出来ます。
「速攻」を持つ代表的な赤のカードには《弧光のフェニックス》が存在します。
代表的な赤のカード
クリーチャー — フェニックス(Phoenix)
飛行、速攻
あなたのターンの戦闘の開始時に、このターンにあなたがインスタントかソーサリーである呪文を3つ以上唱えていた場合、あなたの墓地から弧光のフェニックスを戦場に戻す。3/2
インスタントかソーサリーを3回以上唱えていれば墓地から戦場に戻すことができる「速攻」持ちのクリーチャー。墓地活用との相性が良く、また相手を妨害しつつ手札を貯められる青との相性も良好。
《弧光のフェニックス》を中心とするデッキの1つに【青赤フェニックス】があります。
《弧光のフェニックス》はターンに、インスタントかソーサリーを3枚唱えると墓地から出てきます。これを狙って、低コストのインスタントやソーサリーを唱えまくってフェニックスを出すといった流れです。
青の軽いカードにはドロースペルや打ち消しスペルが多いので相手を妨害しつつ手札を貯められます。
赤の軽いカードには墓地に落とすスペルや、火力のスペルがあるので展開を助けてくれます。
緑
自然と生命の色が緑です。自然の力を使って自分のカードを強化したり、コストの重いカードを早く唱えることが得意です。
【緑単トロン】は《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》《ウルザの塔》を揃えて、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を呼び出して攻撃。2回攻撃が通れば勝てるというシンプルなビートダウンです。
伝説のクリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
あなたがこの呪文を唱えたとき、パーマネント2つを対象とし、それらを追放する。
破壊不能
絶え間ない飢餓、ウラモグが攻撃するたび、防御プレイヤーは自分のライブラリーの一番上から20枚のカードを追放する。10/10
クリーチャーのタイプ
緑の代表的な特殊効果は「トランプル」。要するに、余ったダメージを相手プレイヤーに与えられます。但し、攻撃の場合のみです。ブロックのときは入りません。緑のクリーチャーに多いですね。
代表的な緑のカード
復讐蔦
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
速攻
あなたが呪文を唱えるたび、それがこのターンにあなたが唱えた2つ目のクリーチャー呪文である場合、あなたはあなたの墓地にある復讐蔦を戦場に戻してもよい。4/3
《復讐蔦》は4コスト4/3速攻であなたがこのターンに2枚目のクリーチャーカードを唱えると墓地から出てくるという能力を持っています。
《復讐蔦》を用いる環境トップクラスデッキが【ホガークヴァイン】。《甦る死滅都市、ホガーク》と《復讐蔦》を使用するデッキ。1~2ターン目に可能な限り自分のライブラリーから墓地にカードを落とし、その中に《甦る死滅都市、ホガーク》と《復讐蔦》が含まれていたら準備完了。
《甦る死滅都市、ホガーク》は墓地からカードを5枚追放(ゲームから除外する)してさらに、緑か黒のクリーチャーを2体タップすることで唱えられます。
この状態で《墓所這い》を戦場に出し、《甦る死滅都市、ホガーク》も墓地からカードを5枚追放し、クリーチャーを2体タップして戦場へ。すると《復讐蔦》も戦場に出ます。強力な盤面が最短2ターンで揃うことから人気のデッキです。
MTGの5色のカードパワー・強さを考察
M:tGの5色には「最強の色」は存在しません。M:tGには特に「どの色が強い」ということはなく、あくまでそれぞれの色には「役割」が存在しているだけです。
無論、特定の環境によって「人気の色」はあります。また「互いに相性の良い色」はあります。しかしこのことは「特定の色が強いこと」を示すものではありません。
そのため色を選ぶなら、やはり各色の役割を理解することが大事です。また自分が理想とする戦い方に近いものを選ぶのが良いでしょう。
速攻は「赤」
あなたが速攻や短期決戦を好むタイプなら「赤」がおすすめです。赤は先制攻撃や軽量クリーチャーの展開、速攻、敵クリーチャーの破壊を得意とします。シンプルな攻撃中心のデッキを組みたいなら、赤がおすすめです。
除去・手札破壊・墓地活用なら「黒」
相手の手札破壊や墓地を活用した戦法が好きなら、黒がおすすめです。
プレイヤーは黒のクリーチャーをゾンビのように墓地からなんども蘇らせたり、逆に能動的にクリーチャーを墓地に送ることで少ないコストで強力なクリーチャーを蘇生させる戦法を採用することができます。
また敵の手札を破壊したり、相手のクリーチャーを除去する戦法も得意。どんなに強力なカードであっても発動前に除去すれば怖くはありません。
妨害・バウンスなら「青」
一度戦場に出された強力なクリーチャーを、敵の手札やライブラリーに戻す(バウンス)妨害や、相手の呪文を無効化する戦法が得意なのが青です。
「飛行」「呪禁」といった強力な特殊効果を持つクリーチャーも多く、他の色と混ぜた上で青を「カードを手札に溜め込むまでの時間稼ぎ」として使うことも可能です。
マナ加速なら「緑」
大量のマナを生み出して強力なクリーチャーを場に出して戦いたい場合は「緑」がおすすめです。緑は1ターンに大量のマナを生み出す戦法を得意とし、コストの重いカードを早い段階で唱えることがしやすいです。
単色デッキで初めてプレイするなら緑がおすすめ
もしもあなたが「赤黒」や「青白」といった具合に色を混ぜず、まずは単色デッキでM:tGを始めようと考えている場合は「緑単」がおすすめです。
例えばあなたが遊戯王OCGからM:tGに移ろうとしているとします。その場合、最初に障壁となるのが「マナ」「土地」の考え方でしょう。遊戯王OCGにはマナの概念がなく、M:tGにはマナの考え方があります。M:tGのデッキ構築の基礎となる「マナカーブ」の考え方は、こちらの記事で解説しています。
>>マナカーブとは?意味・計算(算出)方法・マナベースの作り方解説
緑はマナ加速をはじめとして、大量のマナを生み出すギミックが豊富なので、マナや土地活用の楽しさを学ぶのに最適な色。なおかつマナ加速に成功すれば強力なクリーチャーをどんどん場に出せるので、M:tGの対戦の楽しさも感じられます。
防御・回復なら「白」
防御や回復を中心とした戦術なら「白」が得意です。白は青との相性がよく【青白コントロール】は大会環境でも人気のデッキ。青の豊富なドロースペルで手札を補充しつつ、青と白がともに得意とする除去スペルで相手を妨害。ライフは白で回復。
相手を延々と妨害しながら、相手のライブラリー切れを待つ戦法です。
2色以上の組み合わせも楽しい
M:tGでは黒のカードのみで構成するデッキを【黒単】、緑のカードのみで構成するデッキを【緑単】と単色デッキをそれぞれ呼びます。
一方でM:tGでは複数の色のカードを組み合わせたデッキを構築することも多いです。下記に例として、2色の組み合わせとその呼び名を表にします。
友好色
友好色とは互いに似た特徴を持つ、相性が良い色の組み合わせを指します。初めて2色混合でデッキを組む場合は、友好色から組み合わせを探すことで手札事故を減らすことができるでしょう。
組み合わせ | 呼び名 | 特徴 |
青白 | アゾリウス | ライブラリー切れを狙うコントロールデッキ |
青黒 | ディミーア | カウンターで相手を妨害しつつ除去・バウンスで盤面を支配するパーミッション |
赤黒 | ラグドス | 攻撃力の高さと除去が特徴のビートダウン |
赤緑 | グルール | 緑のマナ加速・大型クリーチャーを赤の火力がサポートするビートダウン。黒を混ぜる形も人気 |
緑白 | セレズニア | 緑・白それぞれの大型クリーチャーを中心とするデッキ |
対抗色
対抗色とは特徴が大きく異なる、本来は対抗関係にある色の組み合わせです。性質が正反対の色をうまく組み合わせることで、両者の欠点を補い合うことが可能です。
組み合わせ | 呼び名 | 特徴 |
白黒 | オルゾフ | 白で相手の動きを規制しつつ、黒で除去・ビートダウンを狙う。リアニメイトも得意 |
青赤 | イゼット | カウンターで相手を妨害しつつ、赤で相手のライフを削りきる。人気の高い色の組み合わせ |
黒緑 | ゴルガリ | 黒の除去で相手の盤面を破壊し、緑の大型クリーチャーで仕留める |
白赤 | ボロス | 白のウィニー(軽量クリーチャー)を赤で補助するビートダウン |
緑青 | シミック | 緑のマナ加速を青のカウンターで補助しつつ、青の豊富なサーチ・ドローで高速展開 |
5色デッキも環境で活躍している
ここまで各色の特徴と2色の組み合わせを見てきました。M:tGの現環境では多色化が進んでおり、2色〜3色程度を混合するのが一般的。4色以上になってくると必要な土地が増え、安定的にマナを生み出せなくなることも多いため、各プレイヤーの技量が問われます。
そんな中、環境で活躍する5色デッキがあります。それが「5色人間」(赤青緑白黒)です。デッキ構築に必要な予算の目安は12万円。
5色人間のマナ基盤を支えるのは《魂の洞窟》。
このカードが戦場に出たときクリーチャータイプを1つ指定します。クリーチャータイプというのは部族のことです。この場合人間。
そのクリーチャータイプのクリーチャーを唱えるためなら好きな色のマナを出します。
5色人間デッキでは、土地以外にはクリーチャーしか採用しません。なおかつクリーチャータイプは人間しか入っていません。そのため5色を採用しながらも、《魂の洞窟》によって好きな色のマナを生み出すことができ、マナ基盤は安定します。
戦法はとしては、人間クリーチャーを大量展開するビートダウン。人間はかなり恵まれたクリーチャータイプで、人間同士でのシナジーが高いです。
例えば《教区の勇者》。
1マナ 1/1 他の人間クリーチャーが戦場に出るたび、このクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。
基本的に1コストのクリーチャーは強くても2/2です。しかし、教区の勇者は+1/+1カウンターが人間クリーチャーが展開されるたびに置かれるため、3ターン目には5/5に強化されることも多いです。