遊戯王OCG《第六感》はなぜ禁止カード?強すぎると呼ばれる理由&海外では解禁?

遊戯王OCGの歴史の中で、屈指の「壊れカード」が《第六感》。サイコロを振る効果を持ちながら、ギャンブルが当たった場合にも外れた場合にも「デメリットらしいデメリット」が無く、発動するだけでプレイヤーは圧倒的なアドバンテージを得られるカード。
海外では一時的に解禁され、制限入りするものの再び禁止カードに指定されました。

基礎的なプレイングが身についているデュエリストであれば、このカードの発動に成功すればゲームの流れを決定づけられるはず。仮に制限解除される場合も、大幅なエラッタは前提。その上で現実的には《サイクロン》《ハーピィの羽根箒》による除去や《神の宣告》の発動は免れないでしょう。

壊れカード《第六感》の効果を1つ1つみていきましょう。

《第六感》とは?

通常罠(禁止カード)
自分は1から6までの数字の内2つを宣言する。
相手がサイコロを1回振り、宣言した数字の内どちらか1つが出た場合、
その枚数自分はカードをドローする。
ハズレの場合、出た目の枚数デッキの上からカードを墓地へ送る。

《第六感》の効果

1~6の数字のうち、2つを宣言。相手がサイコロを振り、自分は出た目の枚数分ドローできます。5か6を宣言しておけば、最大で6枚ドロー可能。
外れた場合にも、出た目の枚数分、デッキからカードを墓地に送ることができます。
つまり《第六感》は発動を阻止されない限り、5~6枚のドローか1~4枚の墓地肥やしができるカードなのです。

「5」と「6」を宣言することで成功すれば5~6枚ドロー

《第六感》を発動すると、自分はまず1~6の数字を宣言します。1と2を宣言した場合は、サイコロの目が当たった場合にも最大で2枚しかドローできません。一方で5か6を宣言すれば、最大で6枚ドロー可能です。

失敗しても1~4枚の墓地アドバンテージ

5か6を宣言し、成功すれば最大6枚ドロー。失敗しても墓地に1~4枚のカードを送ることができます。墓地に強力なカードを多数溜めることを重視するのが「墓地肥やし」です。

墓地肥やしを重視する【ワイト】や、蘇生手段が豊富でサポートカードも強力な【ブルーアイズ】【レッドアイズ】とは相性が良く、サイコロの目が当たっても外れても大きくアドバンテージを得ることができます。

《第六感》が生み出すアドバンテージ

ハンド・アドバンテージ

手札にカードをより多く引き込むことで優位性を獲得するという考え方が「ハンド・アドバンテージ」です。手札にカードが多く存在すればするほど、局面における選択肢が増え、フィールドに強力なモンスターや魔法・罠を展開できる可能性が高まります。

墓地アドバンテージ

遊戯王OCGでは、墓地は「第3の手札」と呼ばれます。墓地にて効果を発動する効果が多数存在することに加え、モンスターや魔法・罠の回収手段も豊富。

強力な通常モンスターはデッキからドローしてアドバンス召喚するよりも、能動的に何らかの形で墓地に送り、蘇生する方が早いこともしばしばです。

関連記事:遊戯王プレイングテクニック&プレイングの上達方法・アドの稼ぎ方!

なぜ《第六感》は強すぎる壊れカードになったのか

どんなデッキにも採用しやすい

《第六感》は成功すれば5~6枚のドローが可能。実質的に1/3の確率で5~6枚ドローできるカードと言えます。
5~6枚のドローがいかに強力な効果であるかは、2枚ドローの《強欲な壺》が禁止入りしている事実からも明らか。墓地肥やしを一切重視しないデッキであっても、十分に採用する価値があります。

ちなみに《出たら目》と合わせると、6枚ドローの可能性は2/3に高まります。《出たら目》についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→→ 《ダイス・ポット》と《出たら目》でサイコロ勝負デッキ!世界大会採用ダイス・ポットの効果

《ダイス・ポット》と《出たら目》でサイコロ勝負デッキ!世界大会採用ダイス・ポットの効果
《ダイス・ポット》とは 効果モンスター 星3/光属性/岩石族/攻 200/守 300 リバース:お互いにサイコロを1回ずつ振る。 相手より小さい目が出たプレイヤーは、相手の出た目によって以下のダメージを受ける。 相手の出た目が2~...

登場当初は墓地アドバンテージが重視されていなかった可能性が高い

ここまで《第六感》が異様に強力なカードとして、環境に登場したのはなぜでしょうか。その理由は「墓地アドバンテージ」の考え方が、登場当初に軽視されていた可能性が挙げられます。

《第六感》はザ・ヴァリュアブル・ブック6(2003年9月19日発売)で登場したカード。当時も【カオス】など墓地肥やしを重視するデッキが存在したことに加え、強力なモンスターをあえて墓地に送る戦法自体も存在しました。

しかし、カードを墓地に送る行為はそもそもは「デメリット」。《第六感》のカードを墓地に送る効果はそもそもデメリットとして設定された効果だったのでしょう。墓地効果が現在よりも軽視されていた結果、デメリットとして設定した効果が逆にメリットとして注目される状況を生み出しました。
2003年〜2006年ごろの【カオス】全盛期に《第六感》は猛威をふるい、2005年に《第六感》が禁止。2006年にはカオスモンスター全般が禁止カードに指定されました。《第六感》は3期から4期の、遊戯王のインフレを悪い意味で支えた一枚だったと言えるかもしれません。

海外では《第六感》が一時的に解禁

遊戯王の海外版「遊戯王TCG」では2013年に臨時の制限改訂が行われ、《第六感》の禁止が解除。制限カードとして環境に復帰するも、瞬く間に猛威をふるい、すぐさま禁止カードに再度指定されました。

《第六感》の代替カードはある?

《第六感》に匹敵するドロー効果や、墓地アドバンテージを持つ罠カードは後にも先にも登場していません。つまり《第六感》の代替カードは存在しません。
しかしデッキ構築によっては一部の魔法・罠のデメリットをメリットに転化。ギャンブル性がありつつも、実質的に「自分にもメリットしかない」状態を作ることは可能です。

《カップ・オブ・エース》

通常魔法
コイントスを1回行う。
表が出た場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。
裏が出た場合、相手はデッキからカードを2枚ドローする。

【グリードバーン】と組み合わせることで、コインが表になれば2枚ドロー。裏が出ても相手にバーンダメージを与えられる可能性があります。グリードバーンについてはこちらの記事で解説しています。

遊戯王OCG「グリードバーン」デッキレシピ・戦術・回し方!トリックスター型も
グリードバーンとは? グリードバーンとはカード効果で相手に大量ドローをさせた上、《グリード》の効果で相手LPを削ることを目指すバーンデッキです。 《大暴落》や《メタモルポット》等との相性が良く、うまく決まれば相手に10ドローさせることも...